2009年2月27日金曜日

ディープリバー

最近は移動には必ず文庫本を持ち歩いています。
これまではポータブルゲーム機でしたが、モンハンにもすっかり飽きてしまったので・・
アタシは普通の人が学生時代に読むような本を読んでおらず、いまから読むべき本はたくさんあります。
これは小説に限らずマンガなんかもそうなんですけどね。
ブッコフやら近所の古本屋を覗いては、100円で色んな本を買い漁っています。



現在は遠藤周作の「深い河」を半分くらい読み進めている所です。
遠藤周作はまだこれが二作目なのですが、協奏曲があっさりと読めて結構面白かったので、本屋で何気なく選んだ深い河を読み始めてみました。

彼の生涯のテーマである『キリスト教と日本人』を、それぞれの業を背負う5人の登場人物によって上手く表現出来ていると思います。
神によって助けられ開眼した者の宗教への見解と、ごく一般的な無神論者の日本人とのコントラストがリアルに感じました。
私は後者にあたるのですが、自らの神を持っている者が発する断言的なセリフを通して、彼らにとっての神という存在を考えさせられる作品だと思います。

ただ、協奏曲の雰囲気を引きずったまま読んだので、あまりの重さというか話の深さに最初は戸惑いましたが。
死、愛、宗教、輪廻転生・・テーマが重いわりに、実は大変に読みやすい作品なのです。
それが遠藤周作の凄い所なのではないでしょうか。
後から知りましたが、この作品は遠藤周作氏が70歳の晩年に発表した、代表作の一つとも言える純文学作品だそうで。
まだ読み途中の段階ですが、数年後に読み返したいと思える、とても素晴らしい作品です。
今後は、彼の他作品も続けて読んでみたいと思います。

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